Team:Kyoto/projectRNA

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Contents

RNA Module

Introduction

1人の手で様々な遺伝子を組み合わせて生体の複雑な遺伝子回路を構築し、理解するというコンセプトの下で、iGEMはこれまで発展し続け、様々な遺伝子パーツが生み出され、様々な遺伝子回路が組めるようになった。事実、Parts Registryにそのコーディングシーケンスとなるパーツがある多様なタンパク質――色々な刺激に応答して転写を制御するものや、種々の物質を生合成する酵素、生産物を外部に分泌する輸送タンパク質など――と、そのタンパク質と特異的に相互作用する塩基配列を組み合わせて、大腸菌をはじめとする Chassisに導入することで多様性に富んだ組み換え生物が作られてきた。

Under the concepts of understanding the mechanism of the life through recon-structing complicated gene circuit in cell by various different parts of DNA, in iGEM various parts have been created. Now it became able to construct various type of circuits using these parts. In fact, by combining biobricks which codes such as a pro-tein which represses the transcription, inhibits the repressor, or transfers specular materials, we can give various functions to chassis like E. coli.

2しかし、遺伝子回路を設計するにあたって、タンパク質を用いて実現することが難しいような状況が現れることがある。タンパク質を設計する のは現在まだとても困難であり、特定の分子と特異的に相互作用させようとしたり、狙った部分の転写を調節しようとしたりすることにはまだ多くの技術的な壁 がある。また、タンパク質は転写、翻訳、フォールディング、そして修飾という複数のステップを経て合成され、また分解にもある程度の時間がかかる。そのた め、発現するタンパク質の種類を変えるときには、転写調節から発現されているタンパク質の量が完全に入れ替わるまでのタイムラグをある一定の時間(その長さはタンパク質の種類に依存するだろう)より短くすることは難しいと考えられる。

3そこで今回我々は遺伝子回路の構成要素のタンパク質に代わるもう一つの候補として、転写制御因子となるRNAを用いることを提案する。RNAを用いることのメリットは以下の二つである。

Therefore, in order to overcome this weak point, we propose designing synthetic regulatory systems for gene expression with functional RNA instead of protein. The merits to use RNA modules is the following two reasons.

4RNAは二次構造の予測や、RNA同士やDNAに対する特異的な結合を可能にするような設計を行うこともタンパク質に比較すると容易である。よって、遺伝子回路を製作するにあたって、回路を構成するRNA同士が塩基配列特異的な相互作用をするように設計すれば、数に限りがある既存のアクチ ベーターやリプレッサータンパク質を用いては不可能だったような、一細胞内で複数の独立した回路を共存させるということが可能になる。加えて、回路に直接 関係しない任意の遺伝子の発現量をそれ同調させることも可能となる。

Comparing to protein, in the case of RNA it is easier to predict the secondary structure and also it is easier to synthesis, therefore it is easier to design RNA which binds to specific DNA or RNA base sequences and functions as modules in the gene circuit such as transcriptional repressor. This means it is possible to make plural different gene circuits coexist in one cell by combining different RNA modules. In addition, possi-bility of prediction makes it possible to predict the better way to link a RNA which acts as reporter to post-transcriptional RNA. This makes it possible to observe the RNA existing in live cell.

5さらにRNAは転写後、翻訳の時間を経ずにフォールディングが始まるため、応答までの時間が短縮される。また、生体内での分解もタンパク 質と比較して早いので、転写調節から応答までの時間を比較的速くすることも可能になると考えられる。そのため、遺伝子回路を構成する分子を決定するとき、 タンパク質とRNAを適宜使い分けることで、全体としてのかかる時間幅を設計することもできるようになるかもしれない。

Functional RNA works while it folds and can make its folding without the need of translation. Also RNA degradation in vivo is faster than protein. So it is suggested that transcriptional regulation can response faster using RNA Module. Therefore when we use both protein and RNA, we can control how long transcriptional regulation response.

6転写制御系を設計する上で必要なパーツは、遺伝子の転写をはじめるアクチベーター、遺伝子の転写をとめるリプレッサーである。その2つの役割を果すRNAとして、我々はTetRアプタマー、Attenuator regionとAntisense RNAを選び、それらが転写制御の役割を果たすことを確認した。また、構造予測が比較的簡単に出来る特徴を利用し、これらの機能性RNAを活性部位の立体構造に影響しないように互いに繋げあわせたものを設計し、活性に影響が出ないことを実験により確認した。

The essential parts for synthetic regulatory systems are activator and repressor. The activator stimulates the transcription of the gene and the repressor blocks the transcription. We selected TetR aptamer and Attenuator region with Antisense RNA as activator and repressor. Firstly, we confirmed that these 2 RNA modules functions really work. Moreover, utilizing the property of RNA that it can be predicted secondary structure easily, we designed fusion RNA modules being careful to do not effect the secondary structure of each other. Then we confirmed that these fusion RNA modules.

【メモ:figが必要】

Activation

転写のアクチベーションを行うような機能性RNAの例として、我々はtetR aptamerを挙げる。これはtet repressorに特異的に結合するアプタマーであるが、DNAの特定領域に結合して転写を抑制しているtet repressorに結合してDNAから解離させる作用も持つ。つまり、常に一定量のtet repressorが発現し、存在しているような細胞内では、tetR aptamerが発現している間のみtet promotor以下の転写の抑制が解除、つまり活性化され、tetR aptamerが発現していず存在していない場合は、tetRの機能によって転写が抑制されるようになる。tetR aptamerの働きを確認するため、tetRタンパク質とtetR aptamerを常時発現させた場合と、tetRタンパク質のみを常時発現させた場合、tetRとtetR アプタマー以外の構造をもつRNAを発現させた場合、tetRを発現させなかった場合とで、tetプロモーター下流に配置したGFP遺伝子の発現を見、qRT-PCRで発現量を比較しtetR aptamerの働きを確認した。(顕微鏡で蛍光度の差が確認できたときはqRT-PCRは補強扱いとし、確認できなかった場合はqRT-PCRのみを蛍光度の比較の尺度とする。)

-----コンストラクション------

Positive Control
A. Ptet-GFP
-tetRを導入せず、Ptet-GFP単体のもの。tetRが存在しない場合にPtetがonになるということの確認。
Negative Control
B. Ptet-GFP, Pcon-TetR
-tetRaptamerが存在しない場合。tetRがそのままで転写抑制をすることの確認。
C-E. Ptet-GFP, Pcon-TetR, Pcon-RNAs(anti_attenuator, attenuator, spinach)
-tetR aptamerを他のRNAで置き換えたもの。これによってRNAであることが問題なのでなく、tetR aptamerのみが持つ構造と機能が問題であることを確かめる。
Experimental Group
F. Ptet-GFP, Pcon-TetR, Pcon-tetRaptamer

-----コンストラクション------

-----fig Caption------

tetRを発現しない大腸菌(figA)の蛍光はtetRを発現する大腸菌(figB)のそれよりも強いことから、tetRはtetリプレッサーに結合して下流の転写を妨げることがわかる。tetRを発現し、tetRaptamerを転写しない大腸菌(figB)のGFP転写量に比べてtetRとtetRaptamerの両方を発現する大腸菌(figF)のGFP転写量が有意に大きいことから、tetRaptamerはtetRによる転写の抑制を解除する働きがあることが示唆される。tetRaptamerをコードしていた部分を他の配列に置き換えた大腸菌(figC-E)の蛍光はtetRとtetRaptamerの両方を発現する大腸菌(figF)よりも弱く、tetRのみを発現する大腸菌(figB)と同程度であることから、figFの大腸菌におけるtetRの機能の抑制はtetRaptamerに特有のものであることがわかる。

-----fig Caption------

顕微鏡による観察とqRT-PCRによりtetRタンパク質を発現させた場合、GFPの発現量が減っていると分かるので、tetRタンパク質がtetプロモーター下流のGFPの発現を抑制していることが分かる。顕微鏡による観察とqRT-PCRによりtetRタンパク質がある時、tetRアプタマーが発現された場合のみGFPの発現量が増えていると分かるので、GFP上流にあるtetプロモーターを抑制していたtetRタンパクをtetRアプタマーが抑制した、つまりtetRアプタマーはtetRタンパク質存在下でtetプロモーター下流に対しアクチベーターとして働くと言える。

Repression

転写の抑制を行うようなRNAの例として、我々は、ゲノムDNA鎖に相補的に結合するncRNAによる転写制御を挙げる。これは、生体内でのRNAによるゲノム転写機構のひとつ、Gram-negative bacteria Staphylococcus aureusのpT181と呼ばれるplasmidなどのコピー数のregulationの機構である。RepressorとなるRNA (Antisense RNA)がある状態では、プロモーター下流のAttenuator locusがRho-independent terminator を形成することによりgenome coding部位の転写が抑制されるが、if the antisense RNA fails to bind, nascent RNA refolds into an alternative structure which prevents termination and promotes read-through (Novick, 1989) という仕組みを用いている。この機構は、他のリボスイッチと違いRNAのみで他の低分子化合物を用いていないため、合成生物学の新たな手法として、塩基置換などにより様々なタイプのものが作られている (Takahashi et al, 2013)。 われわれはこれをRepressionの回路とした。Attenuator antisense RNAの存在下と非存在下で、Attenuator Region下流のGFP遺伝子の発現量を比較した。

------const------

Positive Control
A-C: Pcon-RNAs(tetRaptamer, attenuator, antisense), Pcon-atte-GFP
-antisenseを他のRNAで置き換えたもの。これによってRNAであることが問題なのでなく、antisenseのもつ相補的配列が問題であることを確かめる。
D: Pcon-atte-GFP
Antisense非存在下においてはGFPの発現は抑制されないことを確認する。
Experimental Group
E: Pcon-antisense Pcon-atte-GFP

------const------

---figcaption----

Antisenseが常時発現している大腸菌(figE)においてはAttenuator Regionの下流にあるGFPの転写が抑制され、Antisenseが存在しない大腸菌(figD)では抑制されていないことから、figEの大腸菌における転写抑制はAntisenseに起因することがわかる。figEの大腸菌でAntisenseをコードしていた部分を他の配列に置き換えた大腸菌(figA-C)におけるGFPの転写量はAntisenseを転写しない大腸菌(figD)に比べて遜色ないことから、figEの大腸菌での転写抑制はAtternatorに特異的なものであったことが導かれる。

---figcaption----

顕微鏡による観察とqRT-PCRによりAttenuator antisense RNAを発現させた場合のみ、Attenuator Region下流にあるGFPの発現量が減ったことが分かった。このことからAttenuator antisense RNAはAttenuator Region下流に対して抑制効果があり、リプレッサーとして働くと言える(顕微鏡で蛍光度の差が確認できたときはqRT-PCRは補強扱いとし、確認できなかった場合はqRT-PCRのみを蛍光度の比較の尺度とする。)

Reporter

我々は、RNAでできたレポーターとなりうる分子として、Spinachを挙げる。これはJeremy S. Paige, Karen Y. Wu, Samie R. Jaffrey, によって設計されたアプタマーの一種で、GFPを模倣している。SpinachはGFPの蛍光部位によく似た合成物であるDMHBIに特異的に結合するアプタマーから設計された。GFPのfluorophoreはdenatured GFPでは蛍光を示すことがなく、分子の奥に折りたたまれて初めて蛍光を発するようになる。DMHBIもこれと似た性質を持っており、単体ではほぼ蛍光を示すことはなく、GFPの構造の持つ機能を真似たSpinachの高次構造の奥に取り込まれて初めて蛍光するようになる。そのため、サンプルにDMHBIを加えた後に蛍光を確認すると、サンプル内にSpinachが存在するかどうかがわかる。もし存在すればSpinachはDMHBIと結合して蛍光を発するだろうし、存在しなければ蛍光は発しえない。Spinachを用いることで、RNAを直接イメージングできる他、安定なタンパク質では確認できない、大きく変化するRNAの発現量を正確に反映することが出来る。
【メモ:Assay、Result、Discussion】

Fusion

実際にこれらを使って遺伝子回路を構築することを考えると、複数のModuleを同じ要素の中に含めなければならない状況が発生することは十分に有り得る。転写抑制の様子をレポートするとき、因子Aで促進されBで抑制されるような系を作るときなどである。この融合を行う上で問題となってくるのが、連結したとき相互作用や立体構造の問題によりそれぞれの機能が阻害されるのではないかということである。タンパク質であれば、その問題を予測するのは難しい。しかしRNAであれば、配列情報から比較的簡単に二次構造を予測することができ、起こりうる問題を予見し回避できる。われわれは、機能を確認したtetR aptamer, Antisense-Attenuator RNA, Spinachをそれぞれつなぎあわせ、二次構造を予測し、実際に働いていることを確認した。
【メモ:Assay、Result、構造予測、Discussion】

Conclusion

我々は以上の実験で、Activator, Repressor、Reporterの機能を持つ各機構の確認とそれぞれを繋ぎあわせたものの構造予測、および機能確認をした。
より複雑な遺伝子回路の一例として、これらのModuleを用いてRNAを転写制御因子やレポーターとして利用して遺伝子回路を構築できることが示唆される。ここで、その例として、Spinach蛍光の発現量を振動させるオシレーターを上げたい。オシレーターは生物にとって重要な回路であり、また転写の抑制、促進の双方を満たすRNAが含まれるため、以降の応用への例として適切であると考えられる。
私達は、次のようなオシレーションの回路を提案する。


この回路がオシレーションを形成する仕組みは、以下のようになっている。初期条件として、Constitutive Promoterにより合成されたTetRにより、Ptetはrepressされている。 オシレーションの開始はPtet下流のPlacがIPTGにより誘導されることである。これによってRNA-Actが合成開始され、その中のtetR aptamer配列がPtetをactivateする。 ActivateされたPtetはさらにRNA-Actを合成し、ここでポジティブ・フィードバックがかかることでRNA-Act, RNA-Repともにその量を増やす。すると、RNA-Repの配列内のSpinachにより緑色蛍光が確認される。 RNA-Repの量が十分に増えると、そのAttenuator antisenseの部位がRNA-ActのAttenuator locusに結合し、RNA-Actの転写量を減少させる。 するとTetR-AptamerによるActivationが小さくなることで、RNA-Act, RNA-Repの量が減少する。すると、Spinachによる蛍光は減衰する。 RNA-Repの量が十分に減少すると、Attenuator antisenseによる転写抑制が解かれ、再びRNA-Actの転写量が増えることとなる。これが繰り返されることで、オシレーションを作り上げている。この回路からは、RNAならではの分解・生成が速い性質によって、10分周期程度の短いSpinach蛍光のオシレーションを生むことが出来ると予測できる。

Achievement

我々は、このプロジェクトで以下のことを達成した。






Parts List

-自分たちでつくったもの
iGEMの仕様のやつのせてね
-他チームのを機能確認したもの
tetR
spinach

Reference

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