Team:Kyoto/projectRNA

From 2013.igem.org

Revision as of 19:54, 24 September 2013 by Niina (Talk | contribs)

count down

Contents

RNA Oscillator

motivation

 人の手で様々な遺伝子を組み合わせて生体の複雑な遺伝子回路を構築し、理解するというコンセプトの下で、iGEMはこれまで発展し続け、様々な遺伝子パーツが生み出され、様々な遺伝子回路が組めるようになった。事実、Parts Registryにそのコーディングシーケンスとなるパーツがある多様なタンパク質、色々な刺激に応答して転写を制御するものや、種々の物質を生合成する酵素、生産物を外部に分泌する輸送タンパク質などと、そのタンパク質と特異的に相互作用する塩基配列を組み合わせて、大腸菌をはじめとするChassisを用いて多様性に富んだ組み換え生物が作られてきた。

 しかし、遺伝子回路を設計するにあたって、タンパク質を用いて実現することが難しいような状況が現れることがある。タンパク質を設計するのは現在まだとても困難であり、特定の分子と特異的に相互作用させようとしたり、狙った部分の転写を調節しようとしたりすることにはまだ多くの技術的な壁がある。また、タンパク質は転写、翻訳、フォールディング、そして修飾という複数のステップを経て合成され、また分解にもある程度の時間がかかる。そのため、発現するタンパク質の種類を変えるときには、転写調節から発現されているタンパク質の量が完全に入れ替わるまでのタイムラグをある一定の時間(その長さはタンパク質の種類に依存するだろう)より短くすることは難しいと考えられる。

 そこで今回我々は遺伝子回路の構成要素のタンパク質に代わるもう一つの候補として、転写制御因子や、蛍光によるレポーターとなるRNAを用いることを提案する。RNAを用いることのメリットは以下の二つである。

 RNAは二次構造の予測や、RNA同士やDNAに対する特異的な結合を可能にするような設計を行うこともタンパク質に比較すると容易である。よって、遺伝子回路を製作するにあたって、回路を構成するRNA同士が塩基配列特異的な相互作用をするように設計すれば、数に限りがある既存のアクチベーターやリプレッサータンパク質を用いては不可能だったような、一細胞内で複数の独立した回路を共存させるということが可能になる。加えて、回路に直接関係しない任意の遺伝子の発現量をそれ同調させることも可能となる。

 さらにRNAは転写後、翻訳の時間を経ずにフォールディングが始まるため、応答までの時間が短縮される。また、生体内での分解もタンパク質と比較して早いので、転写調節から応答までの時間を比較的速くすることも可能になると考えられる。そのため、遺伝子回路を構成する分子を決定するとき、タンパク質とRNAを適宜使い分けることで、全体としてのかかる時間幅を設計することもできるようになるかもしれない。

 今年、我々はRNAを転写制御因子やレポーターとして利用して遺伝子回路を構築できることを示すため、目標としてオシレーターの製作を掲げた。オシレーターは生物にとって重要な回路であり、また転写の抑制、促進の双方を満たすRNAが含まれるため、それらを以降の応用への例として挙げる。これからの合成生物学の発展のため、より多様性に富んだより複雑な遺伝子回路を設計するために、この技術がより広く用いやすくなることを望む。

Oscillator Design

Activator

Description

 転写制御を行うような機能性RNAの例として、我々はtetR aptamerを挙げる。これはtet repressorに特異的に結合するアプタマーであるが、DNAの特定領域に結合して転写を抑制しているtet repressorに結合してDNAから解離させる作用も持つ。つまり、常に一定量のtet repressorが発現し、存在しているような細胞内では、tetR aptamerが発現している間のみtet promotor以下の転写の抑制が解除、つまり活性化され、tetR aptamerが発現していず存在していない場合は、tetRの機能によって転写が抑制されるようになる。

Assay

tetR aptamerがtetRの機能を抑制し、tetプロモータ下流の転写を促進するかを確認するために、次のような実験を行った。 実験群は、tetR aptamerと、最終目標であるオシレータ回路の一要素として用いるattenuatorとtetR aptamerのフュージョンを恒常的に発現する系である。対照標準として、以下を用意する。

positive

  • constitutive promoter-GFP。レポーターであるGFPがそのままで光るという機能確認。
  • tetRを導入せず、Ptet-GFP単体のもの。tetRが存在しない場合にPtetがonになるということの確認。

negative

  • tetR aptamerを他のRNAで置き換えたもの。これによってRNAであることが問題なのでなく、tetR aptamerのみが持つ構造と機能が問題であることを確かめる。
  • tetR aptamerが存在しない場合。tetRがそのままで転写抑制をすることの確認。

experimental group:
1:Pcon-RBS-tetR-DT Ptet-RBS-GFP-DT Pcon-tetRaptamer-DT
2:Pcon-RBS-tetR-DT Ptet-RBS-GFP-DT Pcon-attenuator-tetRaptamer-DT
negative control:
3:Pcon-RBS-tetR-DT Ptet-RBS-GFP-DT Pcon-anti_attenuator
4:Pcon-RBS-tetR-DT Ptet-RBS-GFP-DT Pcon-attenuator
5:Pcon-RBS-tetR-DT Ptet-RBS-GFP-DT Pcon-spinach
6:Pcon-RBS-tetR-DT Ptet-RBS-GFP-DT
positive control:
7:Ptet-RBS-GFP-DT
8:Pcon-RBS-GFP-DT

Result

Result fig

Replessor

Description

Attenuatorとantisense-attenuatorの説明

Assay

Result

Reporter

Description

 我々は、RNAでできたレポーターとなりうる分子として、Spinachを挙げる。これはJeremy S. Paige, Karen Y. Wu, Samie R. Jaffrey,によって設計されたアプタマーの一種で、GFPを模倣している。SpinachはGFPの蛍光部位によく似た合成物であるDMHBIに特異的に結合するアプタマーから設計された。GFPのfluorophoreはdenatured GFPでは蛍光を示すことがなく、分子の奥に折りたたまれて初めて蛍光を発するようになる。DMHBIもこれと似た性質を持っており、単体ではほぼ蛍光を示すことはなく、Spinachの奥に取り込まれて初めて蛍光するようになる。そのため、サンプルにDMHBIを加えた後に蛍光を確認すると、サンプル内にSpinachが存在するかどうかがわかる。もし存在すればSpinachはDMHBIと結合して蛍光を発するだろうし、存在しなければ蛍光は発しえない。

 spinachの説明、Assayが中国のチームのパーツの機能追試であるということを述べる?

Assay

Result

Fusion

Future view